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王女様の不埒な暴走
第4章 執事の噂と王女様の暴走
「放しなさい! 私が正気でいるうちに……」
リンゼイよりも逞しく、力強いジョシュアだが、彼女が回す腕を振りきれず、奥歯を噛みしめている。身体が思うように動かないせいだろう。そろそろ限界が近いのかもしれない。
「なら正気などお捨てください。今夜限りでいいんです。これが終わればもう二度とあなたの前に顔を見せませんから」
リンゼイは彼の腕にしがみつき、強引に寝台へと誘う。媚薬を口にしていないリンゼイも、ジョシュアに抱いてもらうことしか頭になかった。
ジョシュアは抵抗をするも、やはり身体が上手く動かないのだろう。引っ張るリンゼイと反発するジョシュアだったが、彼の足がもつれバランスを崩し、ふたりして寝台に倒れ込んだ。
それでも咄嗟にリンゼイを庇い、自分が下敷きになったジョシュア。倒れた衝撃に眼を閉じたリンゼイが瞼をそろりと開けたとき、彼を組み敷く態勢にアッと息を呑んだ。
「お退きください……。今ならまだ……間に合いますから」
ジョシュアの胸の上で硬直するリンゼイの肩を押しやり、荒い息で言う。
この期に及んでまでもまだ抵抗するのは、リンゼイには触れたくないのだろうか。触れたい相手はキャンディスだけなのか、と思うと泣きそうになった。
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