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王女様の不埒な暴走
第5章 暴走の果ての悲劇
「無理なさらなくてもいいですよ。本日、リンゼイ様は学校をお休みになられるとのことですし」
「そう、なの……」
視察の予定でも入っていただろうか、と考えるが、どうにも頭が働かず生返事をする。
もう少しだけ寝ようかとも思ったが、ふと何かやらなければならないことがあった気がして、ライラに目覚めのお茶を頼む。
「わかりました。ではご用意いたしますね」
ライラは丁寧に上掛けをリンゼイの足元に畳んでいく。が、その時だった。
何かを発見したライラは括目し、みるみる青ざめる。
「リ……リンゼイ様……これ……」
「……?」
ライラはどうしたのだろう。何をそんなに驚いているのだろうか。
働かない頭で首を傾げ、ぼんやりとライラが一点に見るそこへと視線を辿る。すると白いリネンに赤いシミができていた。
それを見ても一瞬なんだか解らない。
「これ……。……リンゼイ様は月のものは先日終えられたばかり……ですよね?」
ライラが震える声で訊いてきて、「あ!」と声にならない声をあげたとき、ようやく事態を掴め、意識もはっきりとしてきた。
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