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王女様の不埒な暴走
第5章 暴走の果ての悲劇
そうだった。昨夜ジョシュアと──。
意識がしっかりすると、下腹部に疼痛を覚えるのもそのせいだ。そしてライラが驚く赤いシミは、破瓜の名残り。
リンゼイが慌てて上掛けを引っ張り、その名残りを隠してみても、時すでに遅し、だ。
「き、聞いてライラ。これは違うの!」
「昨日……リンゼイ様はおっしゃいましたよね? ジョシュアさんと最後にお茶を飲みたいからって。それでジョシュアさんにお茶の準備の言付けを頼まれました……」
「ライラ! お願い……聞いて?」
「私……お茶を飲むだけだと思って……」
ライラはリンゼイの言葉に耳を貸さず、ひどくショックを受けたような素振りで、口許を手で覆う。リンゼイもまた、掌で顔を覆った。
ジョシュアを冒していた媚薬が抜けきるまで、朝方近くまで抱かれていた。その気怠さで頭が働いていなかったせいもあるが、ライラが破瓜の血を指摘する前に昨夜のことを思い出すべきだった。
身体は清められ、ナイトドレスは綺麗に着せられていたものの、リネンの交換まではできなかったようだ。
だがどの道リネンを交換したところで、ドレスを着る際にライラに気づかれてしまっただろう。リンゼイがジョシュアに酔わされている最中、気付かぬうちに彼の証を身体中に刻まれてしまっているのだから。
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