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王女様の不埒な暴走
第5章 暴走の果ての悲劇
「もちろんリンゼイ様がそのようなことを考えられる方だとは思っておりません。ですが……いずれリンゼイ様は国王さまが決めたお相手と結婚なさいますよね?」
問われ、息が止まりそうになる。
帰国すればスチュワートとの婚約が発表され、国の内外に知れ渡る。その時はライラやジョシュアの耳にも、リンゼイの婚約が届くだろう。
正式なものでないと言えど婚約者がいる身で、ジョシュアに薬まで使い身体を繋げたと知られたら、さらに軽蔑されてしまう。
良くしてくれたライラや、騙し討ちをして襲ってしまったジョシュアに軽蔑されるのは当然だが、大好きな彼らに軽蔑されるのはやはり哀しくて。それに申し訳なさが胸に広がる。
俯き、眉を寄せて険しい顔付きになるリンゼイにライラは話し続ける。
「つまりリンゼイ様が処女を無くされたことは、夫となる方には必ず知られてしまいます。そして相手を問い詰められることにもなるでしょう」
「私……言わないわ! ジョシュアさんに迷惑がかかることなんて、絶対したくないもの。どんなに酷い目に遭わされたって、決して口外しないわ」
「そうでしょうとも。リンゼイ様はそういう方です。でも……お父上が黙って見過ごすとお思いですか」
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