この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
レオナルドは過去の体験から、近しい者の死を異常に恐れている。
彼を裏切ったジョシュアだけでなく、事態を招いたリンゼイにも怒りを覚えているのだろう。
「レオ様。リンゼイ様には」
「……ジョシュアは薬を盛られたくらいで彼女にどうこう出来る相手じゃない。縛られでもしたか」
責任はない、と言いかけるジョシュアを遮り、またも現場を見たかのように彼は呟く。
「……一線を超えたのは、私の意志です。リンゼイ様にはなんの罪もございません」
媚薬で冷静さは失われていたものの、彼女の痴態に劣情を煽られ、清らかだった彼女の処女を散らしたのは紛れもなくジョシュアの意思。
拘束されていた腰紐が解けた時点で部屋を立ち去ろうと思えば出来たのに、だ。
「きっかけはどうあれ、リンゼイ様を穢したのは事実。私を罪人として捕え、法に則〈ノット〉り処罰してください」
「……くっ」
口早に再度進言すると、レオナルドが喉を鳴らす。
心根の優しいレオナルドは容易く決断をくだせないだろう。主である彼に最初に罪を打ち明けるのが道理だろうと思い来たが、決断がくだせないならば国王に願い出るしかないか、と思い始めたときだ。
目の前で信じられないことが起った。
.