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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
「──で、どこまで話したっけ? ああ、そうそう。王女に貞操を奪われて……」
「そのような言い方はお止めください! 私とて女の身体を知らぬ身ではございません」
「冗談だ、冗談。ったく、相変わらず堅いやつだな」
ようやっと落ち着きを取り戻したはいいが、まだジョシュアをからかい足りない風のレオナルドは軽口を叩く。この空気を一掃しなければと、ジョシュアは咳払いを真剣な表情になる。
「レオ様は本当にこの状況を解っておいでですか?」
「ああ、解ってる。どうせお前のことだ。俺に退位させるくらいなら、自分の首を跳ねれば済むだけ──そう考えたんだろう」
「御意にございます」
「それで? 残された王女はどうなる?」
「……ッ」
「自分のせいでジョシュアの命を奪った後悔を、一生抱いて生きろとでも? いや、生きていられるかどうかも……。お前は自分の命だけじゃなく、彼女の命まで危険に曝すのか」
「では……私にどうしろと? 私にはこの方法しか……」
「そんなもの、俺が退位すればいいだけだ。簡単じゃないか」
「それだけはなりません! 断じてそれだけは!」
ジョシュアは身を乗り出して、止めにかかった。
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