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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案




「あんな男の元に嫁いで、王女が幸せになると思うか? 断言してもいいが、彼女は、壊れる」


 一言、一言ジョシュアに言い聞かせるように話すレオナルド。グッと喉が詰まり、胸に痛みが走った。


「あいつが壊れた彼女を優しく包む性分か? 違うな。人形のようになった彼女を、子供を産む道具として傍に置く」


 ジョシュアは苦悶を浮かべ、瞼を閉じる。


 自分が犠牲になればレオナルドやリンゼイを守れると思った。浅慮だった。犠牲になっても、どちらも守れないと悟る。


「それにお前だって赦せるのか。彼女が他の男に抱かれることを」


 知らず拳を作っていた腕がピクリと揺れる。吐き出す呼吸音はぎこちなかった。


「……もうここまで言えば解るはずだ。俺もジョシュアも、そして王女も守れるただひとつの術を」


「そ、れは……」


「俺は以前から再三話してきた。ジョシュア。お前がその気なら、道を作ってやると」


 ふたりの間でしか解らない会話が交わされる。ジョシュアは視線を伏せ、無言でいた。レオナルドはジョシュアを見上げ、困ったような笑みを浮かべる。


「三日だ。三日やる。それ以上は待てない。いいな、三日のうちに決断しろ。三日経ち、今までの話を聞いた上で、それでも首を跳ねろと言うなら、もう何も言わない。俺とてよもや戦争沙汰にするわけにいかないからな」








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