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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
ライラが戻ってくるまで、ものの数分といったところだろうか。その数分が永遠のように長く感じられた。
動いてはいけないと言われたが、待っているのがもどかしくて。
寝台の端に座らされていたリンゼイは、家具や壁に手をついて力の入らない足を引き摺り扉を目指す。
レオナルドが学校へ行ってしまっているならば、せめてジョシュアに会いたい。会って彼に昨夜のことを誰にも口外しないように頼むつもりだ。
レオナルドを退位させず、ジョシュアの命を助ける方法は今は見つからないが、国へ帰れば協力してくれた兄姉がいる。ジョシュアが相手と知って協力してくれた彼らなら、きっといい方法を思いつくはずだ。
いいや、すでに算段をつけている。そうに違いないとリンゼイは思い当たり、よろめきながらも一歩、また一歩と足を進める。
「リンゼイ様! なにをなさっているんですか!?」
寝室から扉までの距離の半分ほどをやっと進んだ頃、ライラが部屋に飛び込んできた。
「ライラ……。ジョシュアさんに会いたくて」
「レオナルド様にお会いになるのでしょう? 本日はレオナルド様もお休みになられるとのことで、後ほどお越しになるそうです。まずは着替えましょう。ね?」
リンゼイは逡巡するも、レオナルドと行き違いになっては申し訳ないと思い、ライラに従った。
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