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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
みっともなくない程度に身支度を整え、長椅子に腰掛けると、丁度いい頃合いでレオナルドが訪ねてきた。
彼は扉を開けたライラに何やら耳打ちをする。それを受けたライラは軽く頷き、ふたりに向かって一揖すると、扉の奥へと去って行った。
「王女、そのままで構いませんよ」
リンゼイの対面にある椅子に座るため、歩いてくる彼を立ち上がって迎えようとすると、レオナルドは制止する。リンゼイは浮かせかけた腰をふたたび下ろした。
「殿下。わざわざお越しいただいて申し訳ありません。それでその……」
「ジョシュアとのことですか」
「……っ! もう……お聞きになられたんですね」
リンゼイは眉を寄せて苦悶を浮かべる。
ジョシュアの生真面目な性格から、黙っているとは思えなかったが、願うならば自分から罪の告白をしたかった。彼が己の都合のいいように話すとは思えなかったからだ。
「殿下、聞いてください。ジョシュアさんはなにも悪くないんです。私が……私がジョシュアさんを諦めきれず、薬を使って無理矢理襲ったんです!」
だからジョシュアの首を跳ねたりしないで欲しいと、必死に懇願する。
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