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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
「まずひとつめは、何もなかったことにするんです」
「え? それはどういう……?」
「言葉の通りです。ふたりの間にはなにもなかった。王女は純潔のまま、ということにするのですよ」
「ですが……」
失った処女はどう足掻いても戻らない。なかったことになんて出来るのだろうか。
レオナルドの意図するところが解らず、リンゼイは困惑した。
「これは王女にはお辛い話です。覚悟して聞いてください」
リンゼイはしかと頷く。
「国王が決められた相手に王女が嫁ぎ、初夜を迎える際、体内に花の搾り汁を仕込むのです。それで破瓜の血は誤魔化せます。……夫となる者は可哀想ですが、致し方ありません」
一見して突拍子もない策にも思えた。血は誤魔化せても、路をつけられたのは誤魔化せるのだろうか。
リンゼイの疑問を感じ取ったのか、レオナルドは続けて説明する。
「女性の身体というのは、幾度も情交をし、花開くものです。一度や二度ならば、期間を置けばまた蕾になります」
それならば、とリンゼイは「やります」ときっぱり告げる。
「まぁ、待ってください。これはあくまでもいくつかある策のひとつです」
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