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王女様の不埒な暴走
第1章 物語のような恋の始まり



「今はリンゼイの恋を見守ることにするわ。だけどリンゼイが年頃になって、彼にまだ相手がいなかったら。そのときは協力を惜しまないからね」


 ふふ、と笑う姉にリンゼイは励まされ頷くも、なにか違和感を感じていた。だがそれを解消する前に姉を侍女が呼びに来てしまった。


「じゃあまた今度ゆっくり恋のお話でもしましょう」


「はい、お姉さま。ありがとうございます」


 気持ちを打ち明けられる相手がいるというのは心強い。


 この恋が成就するのは世界がひっくり返っても無理だろうが……。ジョシュアはなんといっても大人であるし、リンゼイのような子供を相手にするとは思えない。それに身分の差が大きく立ちはだかるだろう。


 けれど弱音を吐きだせる人がいるだけで、慰められるというものだ。


 それにしても──。


(変なお姉さまね……)


 年齢がどうとか言っていたが、年の差ならリンゼイよりも姉のほうがジョシュアと見合っている。ジョシュアだって子供よりも国一番の美姫である姉のほうがいいに決まっているのに。








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