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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案



「あ、あの……それは……いくらなんでも無茶じゃないでしょうか」


 処女の身でジョシュアを襲ったリンゼイが言う資格はないが、つい口をついて出てしまう。


「なぜです? 私なら身分も申し分なく、王女を娶るのを国王もお赦しになられるでしょう」


「それはそうですが……。でも殿下にはアリエッタ様がいらっしゃるでしょう? それに私、殿下とは……」


「ご心配なく。王女を本当の妻にする気はありませんから」


 互いに男女として見ていないのを確認しあうも、彼の言っている意味が解らず当惑する。


「私はアリエッタと実質的な夫婦関係をこの王城で送り、王女はジョシュアと送ればいいんです」


 まるで夕食のメニューを語る気軽さで話すものだから、リンゼイは開いた口が塞がらない状態だ。


「アリエッタなら心配いりませんよ。身分や肩書きに拘る女性ではないですから。きちんと話せば、彼女だってわかってくれます」


「そういうことではなくて……。国王さまや王妃さまはどうされるんですか? 世継ぎ問題だってありますし……」


 同じ王城で過ごしていて、国王や王妃に彼と本当の夫婦ではないとバレないはずない。


 上手い具合にアリエッタと同時期に子を孕んだとしても、ピッタリ同じ日に産まれる可能性は限りなくゼロに近い。


 まさかジョシュアの子を王位につけるわけにも……。




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