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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
「父上はともかく、母上は面白がって計画に荷担されるでしょうね。父上は母上が丸め込んでくれます。二人の協力が得られれば、世継ぎは私とアリエッタの子がなれます」
国民すべてを騙す計画をこうも気軽に話せるのは、リンゼイの知る限り目の前のレオナルドだけだ。
リンゼイは目眩いが起こりそうになる。
「いかがです? これなら誰も不幸にならないと思いませんか」
「ま、待ってください……。少し目眩が……」
本当にクラクラしてきたリンゼイは、深呼吸して気持ちを落ち着ける。
確かにレオナルドなら、父や母も反対はしない。ラインハルトの暮らしも苦痛を感じたことはなく。生涯ジョシュアの傍で暮らせていけたら、それこそ願ってもない話だ。
だがこの計画にはひとつ大きな穴がある。とてつもなく大きな穴が。
レオナルドは見落としてるのだろうか。それとも知らなくて、本気でそう考えているのだろうか。
「殿下は私とジョシュアさんが夫婦関係を送ればいいとおっしゃいましたが、それは無理です……」
「なぜです? ジョシュアを愛しておられるのでしょう?」
「私はそうですが……ジョシュアさんはキャンディス様と愛し合っておられますから」
口にするのは苦しい。夜会で二人が抱き合っている光景を思い出すのも、胸が張り裂けてしまいそうだ。
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