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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
「こんなことになって私が言うのはおこがましいですが、出来ればあのお二人には幸せになってほしいです。信じてはもらえないかもしれませんが、キャンディス様からジョシュアさんを奪うつもりなんてなかったんです。もちろん、ジョシュアさんの命も……」
彼に心を奪われ、周りが見えなくなり、浅慮だったせいで、こんな大それた事態を招いてしまった。
失恋した時点でさっさと国に帰っていればよかった。そうしていたら、国同士の諍いになるだろう原因だって作らなかったのに。
リンゼイはいよいよ自分が大罪人であると自覚し、ブルブルと震えて気丈さを失いかける。繋ぎとめたのはレオナルドだ。
「王女、どうかあまりお気に病まず。あなたの考えていることはなんとなくわかります。もしあなたに罪があるというなら、この私も同罪です」
罪を告白するにはあまりにも穏やかな顔でレオナルドは続ける。
「王女の想いには、カンターヌを訪問したときから気付いてました。気付いていながらあなたにジョシュアを付けたのです。まあ、あなたがこんな大胆な行動に出るとは、さすがに予想はしてませんでしたが」
最後にはカラリと笑って彼は言った。
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