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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案




「この策には王女の多大なる協力が必要なのですが……と、残念。時間切れのようです」


 背筋を正し、レオナルドの話に聞き入っていると、ノックされる音で話は早々に遮断する。


「この続きはまた今度。……入れ」


 リンゼイに言い置き、扉に向かってレオナルドは声を張った。


「失礼します」


 部屋に入ってきたのはなんとジョシュアだった。この場にジョシュアが現れるとは予想だにしておらず、なんとも形容し難い面持ちでレオナルドとジョシュアを交互に見遣る。


「お呼びでしょうか」


「ああ。お前も座れって言っても無駄か」


 交わされる会話もほとんど耳に入らず、ジョシュアと目が合いそうになり、咄嗟に俯く。


 そりゃあ一度彼にきちんと謝らなければならないし、先ほどは半ば錯乱状態で会いに行こうともしたが、少し落ち着くとまともに彼が見られない。心の準備ができていないのだ。


「ジョシュアを呼んだのは他でもない。お前に新たな仕事を任せようと思っている」


 仕事の話なら二人きりでしてほしかった。なにもこの部屋に呼んでしなくてもいいのに。


 今謝ってしまおうか。だが仕事の話の邪魔をしてはいけないし……と、悶々としていると、レオナルドはおもむろに懐から封筒を取り出した。





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