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王女様の不埒な暴走
第7章 王女は執事の淫靡なレッスンに溺れる



「あ、いらっしゃったみたいですよ。それでは私は失礼しますね。リンゼイ様、頑張ってください」


 ライラは昨日からずっと元気がなく調子のおかしいリンゼイを気遣い、わざと明るく激励してくれる。彼女だって自国や仲間を貶めるようなバカな行動をした王女に仕えたくはないだろうのに、変わらず優しく接してくれる心の広さに感謝してもしきれない。


 ライラと入れ替わりで寝室に入ってきたジョシュアは、手に皮のバッグを持っていた。


「お仕度はお済みのようですね」


 ジョシュアは扉を締め切り、宵闇の明かりが入り込む窓を斜光カーテンで閉じてしまう。そうするとリンゼイの寝室だけ夜の帳〈トバリ〉がおりる。サイドテーブルにあるオイルランプの淡い光で陰影をつくるジョシュアは、一層艶めいている。


 ドキリとしつつもかぶりを振り、邪念を振り払う。


「あの……やっぱりこんなことをしている場合じゃないと思うんです」


 放心していたこともあり、なかなかジョシュアと話す機会に恵まれなかったこともあるが、ずっと言い出せなかったことを切り出す。


「私、あと一ヶ月もしたら帰国しなくちゃなりません。本当はすぐ帰るつもりでしたが……あ、でもジョシュアさんも殿下も助かる手立てが見つかるまでは滞在しますが。それでその……レッスンを受けている場合じゃなくて、方法を探すほうが先決だと思うんですが」







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