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王女様の不埒な暴走
第7章 王女は執事の淫靡なレッスンに溺れる
ジョシュアの指が頤から離れる。彼は物憂げに視線を下に落とした。
「困りましたね。それでは私は約束を違える無能な執事と汚名を着せられてしまいます」
そんな顔をされたら、すごく悪いことをしているみたいじゃないか。ジョシュアに迷惑をかけんがために必死で抑え込んでいるのに。
リンゼイは喉を鳴らし、一旦は躊躇するも「じゃあ……」と上目遣いで彼を見る。
「抱き締めてもらっても……いいですか」
このくらいならば、彼を困らせはしないだろうかと、遠慮がちに頼む。するとジョシュアは僅かに笑みをつくり「もちろん」とリンゼイを両腕で優しく包み込む。
広い彼の胸に抱きすくめられ、甘いパルファムが鼻先を擽り、リンゼイの胸を切なく締め付ける。
彼の温もりを肌に感じると、どうしようもなく泣きたくなる。その顔を見られたくなくて、肩口に顔を埋めた。
たとえレオナルドの命令であっても、こうしてジョシュアが傍にいてくれるだけで幸せだ。そう思い、溢れそうになる想いを必死で堪えているリンゼイの決意をまたも揺らがすことをジョシュアはした。
「本当にこれだけで満足ですか」
そう言って彼は快感の余韻が残るリンゼイの背をツツ……と撫で下ろしたのだ。
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