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王女様の不埒な暴走
第7章 王女は執事の淫靡なレッスンに溺れる



 リンゼイの顔がカッと染まる。


 確かにジョシュアはリンゼイ自身が知らなかった、最も感じる部分さえも知っていた。だが今ここで、あの夜のことを持ち出さなくてもいいじゃないか。


 責められているのか、それとも誘惑されているのか……。彼がリンゼイをどうしたいのか解らなくなる。


 真っ赤になって言葉を失うリンゼイの耳元に唇を寄せるジョシュア。


「もう一度だけお伺いします。……ご褒美はなにがよろしいですか」


 ゾクリとまた震えるリンゼイの身体。彼の言う通りだ。駄目だと言い聞かせて自制してみても、素直な身体は快感を──いや、彼を求めて蜜を流し泣いて乞うている。


 駄目だ、駄目だ。欲望に首を振って来ないように懇願を再度試みる。だがしかし。


 ジョシュアと密着し、抱きすくめられ。耳に感じる熱い吐息や腕の力強さや、甘いパルファム。ランプで陰影を作る彼の美貌も低く甘い声も。


 そのすべてに心が震え、残る僅かな理性を絡め取られる。


 引き結ばれた唇を震わせ、喉を鳴らす。


「ジョシュアさんが……欲しいです」


 彼の胸元でくぐもる声はとても小さく、密着するジョシュアにしか届かない程度のもの。


「お望みのままに」


 そう言って返す彼の声も、囁き程度だったが、リンゼイには届いていた。





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