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王女様の不埒な暴走
第8章 王女の持つ鍵と執事の手袋と刺繍の秘密
その日を境にジョシュアの生活が一転したのは言うまでもない。
王城に到着してすぐジョシュアは入浴をさせられ、さらにこざっぱりとした服を着せられ、そこへ王子──レオナルドがやって来て着いて来いと言う。言われるがまま着いて行く道すがら、彼は気恥ずかしげにジョシュアを見上げる。
「さっき泣いたこと、誰にも言うなよ」
「え? あ、はい」
「絶対だぞ! 男の約束だからな! 特にカーラには言っちゃダメだからな!」
「わかりました」
ジョシュアは忍び笑いつつ、レオナルドが念を押してまで隠したがるカーラという女性に会うのが愉しみになる。怒ると怖いとも言っていたが、レオナルドが彼女を好きなのはなんとなく伝わってくるので悪い人ではなさそうだ。
そうして着いて行った先は、王室付きの医師の元だった。ジョシュアの手の傷を診させるために連れてきたのだ。
ジョシュアは畏れ多いと断ったが、レオナルドは強引に診察を受けさせる。
「ふむ……。筋が傷付いてしまっているから上手く動かせないんだね。詳しく検査しないと何とも言えないが、リハビリをすれば良くなると思うよ」
「リハビリ?」
診察の様子を興味深そうに見ているレオナルドが医師に問う。
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