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王女様の不埒な暴走
第9章 王女は甘いひと時に浸る
そして二人が出掛けている間、暇を持て余してしまうリンゼイをレオナルドの私邸に行かせ、そこで暮らすリンゼイと同じ年のレオナルドの恋人であるアリエッタと過ごせるようにレオナルドが勧めてくれた。
ジョシュアと結ばれればこのラインハルトで暮らすことになる。アリエッタとならばリンゼイも仲良くなれるだろう、との心配りだ。
「ジョシュアさんが帰っていらしたのが嬉しくて、つい立ち上がって手を振ってしまって……」
「それでアリエッタ様に勘付かれてしまった、ということですか?」
「……ええ」
「何やってるんですか。ただでさえリンゼイ様はお顔に出やすいのに」
呆れた声で指摘され、リンゼイは身を竦める。
「まぁ、でも。知られたのがアリエッタ様でよかったですよ。友人がアリエッタ様の侍女をしているんですが、お人柄はお墨付きですし、何よりレオナルド様のご信頼も厚いですし、ペラペラ話すような方じゃないと思いますよ」
「そうなの! まだ二度しかお逢いしたことがないんだけど、とても慎み深い素敵な方だったわ! だからきっと秘密にしてくださると思うの」
「なにを浮かれてるんですか。その気の緩みが思わぬ事態を招くんですからね!」
ライラの厳しい叱責にビクリとしつつ、リンゼイは項垂れて反省したのだった。
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