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王女様の不埒な暴走
第9章 王女は甘いひと時に浸る
「リンゼイ様は男心というものをわかっておいでじゃないですね」
細められたジョシュアの双眸に見据えられ、リンゼイは身を縮こまらせる。
確かに彼の言う通り、男心には疎い。周りにいる男といえば、父と兄、それから粗暴なスチュワートくらいだった。父と兄は家族であるし、スチュワートは論外だ。男心を学ぶ場がなかったのだから、窘めないで欲しい。
「私、なにか悪いことしましたか」
眉を下げてジョシュアに訊ねる。
「ええ、とても。いいですか、リンゼイ様。男というのは好きな女性から傍に来て欲しいと言われれば、相応に期待してしまうものなんです。手を握るだけという子供染みた行為は、一線を超えていない男女がするもの」
「んっ……!」
ジョシュアはリンゼイの手を持ち上げ、食むように指に口づける。そこから甘い熱が生じ、ジン……と痺れる。
「私たちはすでに一線を超えております。あまり可愛いことをおっしゃって、私の理性を剥ぐような真似をなさると、私とてどうなるかわかったものじゃありませんよ?」
「あっ!」
ジョシュアはリンゼイの指先からつけ根にかけ、赤い舌を覗かせて舐め上げた。
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