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王女様の不埒な暴走
第9章 王女は甘いひと時に浸る
リンゼイは浴槽の隅に身体を小さくして、ジョシュアに背を向け顔を掌で覆っている。
なぜこのような事態に陥ってしまったのか……。彼が言うには二人で湯に浸かったほうが効率がいいというのだ。確かにその通りなのだが、大人の男と共に入浴するなど、これまでのリンゼイの人生には予想もしなかったことで、この状況は惑乱を極めてしまっている。
「こちらにいらしてくださらなければお身体が洗えませんよ」
呆れる声で言わないで欲しい。リンゼイにとったら天地がひっくり返りそうな出来事が起こっているのに、どうしてジョシュアはそう平静でいられるのだろう。
「スポンジ貸していただければ自分で洗いますから……」
ジョシュアに顔を背けたまま手を伸ばす。だがジョシュアは素直にスポンジを貸さず、その手を引いて自分に引き寄せた。
「わっ……!」
身体が傾き、頬がジョシュアの肩口に当る。
「私はレオ様からリンゼイ様のお世話のすべてをする代わりに、今回ここに来ることを赦していただいたのです。ご自分で洗わせるなどさせられません」
ジョシュアはきっぱりと言い、リンゼイの身体を持ち上げ、自分の膝に乗せた。
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