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王女様の不埒な暴走
第10章 迫りくる刻、そして……




「以前は爵位をどうにか存続させたいと言っていた者たちに当てをつけていたのですが、どうも最近になり血筋を重んじる考えに変えたようなのです。ジョシュアの養子先がなかなか決まらないのは他にも理由がありますが……」


「もし決まらなかったら、ジョシュアさんはどうなってしまうんですか!?」


 最後まで聞かず、リンゼイは悲痛に顔を歪ませ、レオナルドを問い詰めてしまう。レオナルドは一拍置いて、話し出す。


「……通常の方法で爵位を得るしかありません。領地を与え、叙勲を賜るんです。これも幸いなことにジョシュアは私と共に各地の問題解決に奔走し、医療発展に貢献した功績もあります。王からの叙勲は得られると思います。ですが問題は領地です。この広大なラインハルトの領地は、現在すべて各領主に分配されています。最悪私の領地を分けるにしても、それでは貴族から反発が出かねません。ジョシュアの貴族としての未来を潰し兼ねないんです」


「もし……もし領地の分配の再検討をされる場合、どのくらいの期間がかかるんですか?」


「短くとも半年は」


「そ……んな」


 リンゼイは蒼白になり、声を震わす。


「半年では間に合わないんです! お願いします、殿下。どうか一日も早くジョシュアさんの養子先を見つけてはくれませんか」


 リンゼイは涙を浮かべレオナルドの服を掴み、こうべを垂れて懇願した。






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