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王女様の不埒な暴走
第10章 迫りくる刻、そして……




 厄介な問題とはなんだろうか……。もしやジョシュアが爵位を得るのに反対でもされたんだろうか、と不安になっていると。


「王妃さまが"面白そうだから自分も行く"と言い出したそうです」


「……へ?」


 突飛な話に、つい間の抜けた声が出た。


「そ……そんなことですか?」


「そんなことではないですよ。レオ様は遊びに行くわけではないんです。王妃さまが行かれれば厄介事が増えるだけです」


 ジョシュアは冗談を言っているようには見えず、至って真面目に話す。


 だが一瞬でも嫌な想像が膨らみ、リンゼイにとったら"そんなこと"で、気が抜けてため息ともつかない空気が口から洩れた。


 すると「聞いておられるんですか」と、ジョシュアから咎められた。


「はい、聞いてます! あの……でも何が面白そうなんでしょうね?」


 王妃はいい意味で王妃然としておらず、彼女こそ面白い性格をしている。ライラが王妃は少女のようだと話していたことがあり、その表現は的を得ているとリンゼイも思ったものだ。


「おそらく我々の関係に勘付かれているんでしょう」


「……えっ!?」


 王妃がリンゼイとジョシュアの関係に気付いている?


 カンターヌへ着いていく云々より、そちらのほうが大問題なのではと驚愕する。





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