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王女様の不埒な暴走
第10章 迫りくる刻、そして……
「好きな女性に意地悪がしたくなるのも、男の心理というものですよ。覚えておいてください」
そう言ってジョシュアは上掛けに指をかけ引き下げると、リンゼイの望む優しい口づけをした。
触れるだけの優しい、優しいキス。ほんの一瞬触れ合ったそれはすぐに離れるが、鼻先をつけたまま、ジョシュアは言う。
「これで満足ですか」
「もう……。やっぱり意地悪です」
もっとして欲しい。甘くて蕩けるような深い口づけを。そうねだると、ジョシュアは眼を眇〈スガ〉める。
「これ以上すれば、どうなるかわかりませんよ」
「……いい、です」
リンゼイは自らジョシュアの首に回し、薄く唇を開いて彼を招く。熱い吐息が重なり、下腹部がキュンと疼く。
「……お疲れなのに、体調を崩されても知りませんよ」
口づけの合間に、ジョシュアがそう零す。
「いいです。そしたら帰国を遅らせられますから……」
ジョシュアと一日でも長く過ごせる口実が出来るなら、体調を崩すことくらいどうということはない、と本気で思う。
「本当に困ったお姫様ですね」
言葉の通りジョシュアは困ったような笑みをリンゼイに向け、けれど高まった互いの熱は理性で抑えることは出来ず、夜の帳に包まれる中、甘いひとときに二人で身を委ねた。
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