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王女様の不埒な暴走
第10章 迫りくる刻、そして……

部屋に入った途端、リンゼイは姉に肩を掴まれる。
「ど、どういうことなの!? 説明してくれないかしら?」
「お姉さま?」
父との対峙で精神的に疲れてしまい、詳しい話は明日にでもと思っていたが、姉はパニック気味にリンゼイの肩を揺らす。
説明もなにも、姉はあの場ですべてを聞いていたじゃないか。想いを寄せていたジョシュアに求婚され、恋の成就を悟ったはずだが……姉はそれほど察しの悪い人だったかと、リンゼイは不思議に思う。
「だから! どうして! 殿下じゃなくて、殿下の友人から求婚される事態になっているの!?」
「え? なんで殿下から求婚されなきゃならないんですか?」
「え? え? ちょ、ちょっと待って!」
姉はリンゼイから離れ、頭を抱える。
「あの……リンゼイの好きな方って殿下よね?」
「は? 違いますよ」
リンゼイは先ほどまで父と激戦を繰り広げたのを忘れ、きょとんとしてしまう。姉はなにを言っているのだろうか。たしかにレオナルドは素敵な人だが、男性として一度たりとも見たことはない。
リンゼイの中で男性として魅力を感じるのは、ジョシュアただ一人だ。
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