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王女様の不埒な暴走
第2章 姫は運命に抗らう
リンゼイは出来るだけ考えないようにしていたことを姉の口から聴き、息を呑む。
社交界に出るようになり、大人の一員とみなされた貴族の女は、男女の契りについても教えられるようになる。服を全て脱ぎ、肌を合わせ、淫らなことをするのだ。
夜会でも夫人同士が扇で口許を隠し、夜の性技を愉快そうに語り合っているのを何度か耳にしたことがある。
口づけをして、あとは夫に身を任せればいいと、貞淑な教えしか受けていなかったリンゼイは、赤くなったり蒼くなったりして聞いていた。
その様子が可笑しかったのか、彼女たちはわざとリンゼイやその周りにいる純真な乙女たちに聞かせるよう、一層大胆で不埒極まりない夜の営みの話題に花を咲かせていたものだ。
カンターヌが貞淑な国柄だと言っても、女同士や男同士でこういった話題を繰り広げるくらいの寛容さは広がりつつあるようだ。
だからリンゼイも知識だけは豊富になり、いずれ自分も夫とそういうことをするのだとぼんやりと考えてはいたのだが。
いざ結婚が決まったと父から告げられると、急に現実味を帯び、戦慄を覚えざるを得ない。
ダンスでさえ躊躇われる男性との密着。夫婦の契りともなればもっと肌を重ね、深いところまで繋げなければならなくなる。
スチュワートと……いや、ジョシュア以外の他のどの男とそんなことをするのは、想像するだけで怖気が走った。
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