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王女様の不埒な暴走
第11章 物語の結末は
リンゼイはこの日城の庭園で散歩をしながら、父が公務を終えるのを待っていた。
父にスチュワートと結婚することを告げると、ようやく決心したのだ。
庭園には様々な花が咲き乱れている。だがジョシュアが拓いたリンゼイの花は既に閉じ、花の汁を使えば純潔だと誤魔化せる。
誤魔化し、スチュワートに抱かれるのだと想像すると、怖くて堪らなくなる。
「ジョシュアさん……ごめんなさい……」
胸に手を当て、涙を流す。ジョシュアを守れるならばスチュワートに抱かれることは怖くない。怖いのは、ジョシュアとの約束を破ることだ。
涙で霞む視界に、赤い色がちらつく。何気なくその方向を見遣ると、赤いカーネーションが咲き誇っていた。
カーネーションを見て、ふとあることに気付く。そんな、まさか……。そう思いつつ、常に肌身離さず身に付けているジョシュアから贈られたハンカチーフを胸元から取り出す。
広げると、彼の愛の証であるハートマークが姿を現す。
赤や桃色、黄色や緑……。様々な色で縫われるそれを、じっと見詰める。そして気付く。その中心に隠れる絵柄に。
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