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王女様の不埒な暴走
第2章 姫は運命に抗らう
だが、どの道ジョシュアと結ばれる未来はリンゼイにはない。国から出ることは叶わず、城からさえ一人で出るのを禁じられる身。
ジョシュアだって今ごろはもうパートナーを見付けているに決まっている。
叶わない夢ならば、周りのことを考えず、自分の気持ちに正直でありたい、とリンゼイは力強く頷く。
「はい、お姉さま。どんなことが起ろうと、私は彼と結ばれたいです」
「よく言ったわ! それでこそ私の妹よ!」
頬に這わされていた手が離れ、姉はリンゼイの肩にポンと手を置く。
「昔私が言ったこと覚えてる? リンゼイの恋を応援するって」
「は、はい……」
「あれを実行するときが来たようだわ!」
「お、お姉さま……?」
「そうと決まればそうね……。もう一人協力者を引き込まなくちゃ! こうしてはいられないわ。リンゼイ、もう少し待ってて。私がなんとかするから!」
そう言って姉は意気揚々と立ち上がる。姉が何を言っているのか理解出来ないリンゼイは、呆気にとられ部屋を出ていく姉の後ろ姿を桃色の小さな口を開けて見送るしかなかった。
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