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王女様の不埒な暴走
第11章 物語の結末は

喚くスチュワートと余所目に、ジョシュアは兄へ視線を送る。その意味するところが判明するにつれ、この場の面々は言葉を失うことになる。
「それについては僕が説明しましょう」
兄から語られたのは驚愕の事実だった。
スチュワートがリンゼイとの結婚を焦っていたのには、やはり裏があった。ミルウッド伯爵家は、実は借金にまみれていたというのだ。
その借金は伯爵が作ったものではなく、スチュワートがギャンブルに手を染めた結果、どんどんと借金がかさみ、今や伯爵の資産や領民の税金で賄えないほどに膨らんだ。
だが鉱山で貴重な鉱石が採れさえすれば、どうにかなるだろうと、採掘を急がせた。結果、落石事故に繋がった。
領民からは不満が爆発し、もう発掘を急がせられない。下手を打てば、反乱を起こされ、借金があると明るみになってしまう。
いよいよ立ち行かなくなったミルウッド家が眼をつけたのは、リンゼイが持つ、ほとんど手付かずの鉱山だ。リンゼイ自身も公爵の身分を持っており、彼女の領地にはとても珍しい鉱石が採れるのだという。
だが鉱石を取り尽くし、資源が無くなるのを恐れた以前の領主──祖母にあたる人が、鉱山を閉鎖し、リンゼイにも手を付けないように言い残していた。だからリンゼイもそこには手を付けていない。
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