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王女様の不埒な暴走
第11章 物語の結末は




「とても狡猾に事実を隠していたため、なかなか全容が掴めませんでしたが、彼のアイデアで、中に潜り込むことを思いついたんです」


 ジョシュアのアイデア? 一同は彼を見る。


「外側から見つけられないのなら、中からなら何か掴めると思っただけです。実行なさったのはジュド殿下ですよ」


「まぁそうなんだけどね。スパイを送り込むなんて大胆な考えは、僕ではできなかったよ」


 いつの間にジョシュアと兄は連絡を取り合っていたのだろう? それにジョシュアはアリエッタを捜すのに忙しかったはずだ。それなのに、きっとリンゼイの婚約を阻止するために、こちらへも眼を向けていてくれたのだ。


「で? なにか言い訳はあるかい?」


 蒼白になって項垂れるスチュワートに兄が声をかける。彼はブツブツと呟いていたが、ここまで明確に調べ上げられたら言い訳のしようがないのだと諦めているようだった。


「これでも父上はこのスチュワートとリンゼイを結婚させようと言うなら、僕も王太子として黙ってはいられませんよ」


 国の財源である税金までも食い潰し、民の命を奪った。彼のしたことは、決して軽い罪ではない。


「……長い付き合いだったが、残念だよ、スチュワート」


 父は本心から残念そうだ。息子同然に接してきたのだから当然だ。




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