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王女様の不埒な暴走
第11章 物語の結末は



「ジョシュアさん、私ね。一度ジョシュアさんとの約束を破ってスチュワートと結婚しようって決めたんです」


 彼が寝る間を惜しんで働いていたというのに、自分ときたら彼よりも国を、国民を選ぼうとした。そんな自分が赦せなくて、彼の隣に立つ資格がないように思えてきたのだ。


「だから……本当にいいのかなって……」


 気まずい無言が流れる。耐えかねたリンゼイはチラリと横目でジョシュアを見ると、彼は厳しい顔付きでいた。嫌な予感に胸が騒ぐ。


「……いいえ、駄目です。赦せません」


 ――やっぱり……。裏切った自分を赦してはくれないのか。


 黙っていればよかったのかもしれないが、ジョシュアの誠意に対してそれはあまりにも卑怯な気がして。


 泣きそうになっているリンゼイの頤に、不意にジョシュアの指がかかり、彼の方を向かせられた。


「私からこれ以上大切なものを奪うなど、たとえあなたであっても赦せません」


「……え?」


 ジョシュアは表情を和らげ、じっとリンゼイの瞳を見詰める。







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