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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
それから公爵位を継いだ夫人は、父の代から受け継いだ広大な領地と、夫が拡げた領地の管理を一手に引き受け、更には領民への配慮、公爵が興した事業にも携わるようになり。その上アリエッタがなかなか見つからない不安から、相当に疲弊していた。
レオナルドはそんな夫人を気遣い、度々彼女を訪ねては捜索の状況報告や彼女の相談相手をしていた。
そんなある日、夫人がレオナルドに心の内を明かしたそうだ。
「やはり女の身で公爵を名乗るのは重たいですわね。今までは夫にすべて任せきりでしたし、事業のことも碌な知識がありませんし。いずれアリエッタに爵位を継がせようと、何とか踏ん張ってはいますが、たぶんあの子は爵位を得たいと言わないと思うんです。リリスもアリエッタが継がないのだったら私も継がないと言っていますし……。ザキファスも私の代で終わりかもしれませんね」
心身ともに疲れ果て、弱音を吐く夫人。その時レオナルドはジョシュアのことを頼んだそうだ。
「公爵。もし公爵がその地位を負担に思われているのでしたら、ある男にその爵位を譲ってはいかがでしょうか」
「ある男……?」
「ええ。私の執事をしているジョシュアです」
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