この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
レオナルドは夫人にジョシュアの元の血筋はしっかりとしていることや、ある事情で爵位を得なければならないことを話したそうだ。
「もちろん、アリエッタが見つかってからで構いません。彼女は私のすべてを賭けて必ず探します。ですから一度考えてはいただけませんか」
アリエッタがいなくなった原因が自分にあるレオナルドは、ただ頼むのは気が咎め、アリエッタを見付けることを条件に彼女に頼み込んだ。
この時夫人はジョシュアと面識はあるものの、一度二人で話してから考えたいと言ったそうだ。ジョシュアはその話をレオナルドから聞き、夫人の元へ行った。
以前、彼女と逢ったときよりもやつれた印象をジョシュアは受ける。だが彼女は気丈に笑顔を作った。
「夫の件やアリエッタのことで、あなたにも色々とお世話になったわね。ありがとう」
「いえ。私はレオ様のご命令で動いているだけです。それにアリエッタ様はまだ見つかっておりません。お礼をいただくのはまだ早いかと」
「……そうね」
夫人は表情を翳らせるが、不意にフッと笑いを零す。
「殿下から聞いていた通りの人のようね。真面目で融通が利かない。よく言われるでしょう」
ジョシュアはその問いに対し、なにか答えるでもなく、少し顔を伏せるに留める。
.