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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
「普通は娘を心配している母親に"まだ見つかっていない"だなんて言わないものよ」
確かに慰めの言葉ならいくらでもある。けれど期待を持たせるよなことを言えば、万一の場合、その分落胆は激しくなる。それを解っているからこそ、ジョシュアは敢えて真実だけを告げたのだ。
「……でも信用のできる人ね。口先だけの慰めや、おべっかを使わない。それも殿下がおっしゃってた通りだわ」
レオナルドが自分のことを彼女にどう話したか大体察しがつく。きっと正直にレオナルドの思うジョシュアの姿を話したのだろう。
「あなたは元は貴族だということだし、爵位を継がせてもいいと思える人物よ。ただ……」
「血筋、ですね」
ザキファス公爵家は大昔から何人も王家と姻戚関係を持ってきた名家だ。アリエッタやその妹であるリリスが継がないからと言って、他人に易々と明け渡していい名前ではない。
ジョシュアはレオナルドからザキファス公爵にならないかと言われたときから、それについて考えていた。
夫人から血筋についての話が出なかったとしても、ジョシュアから切り出すつもりでもいた。
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