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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
「何言ってるんだ。お前は王女を迎えに行け」
着いて行こうとすると、レオナルドからそう言われれる。
「ですが私はレオ様の執事です。あなたをお守りするのが私の務めです」
「残念だがジョシュア。お前は今日限りで俺の執事はクビだ」
「……は?」
「さっき公爵に使いを出した。彼女から書類にサインを貰い、すぐ父上に届けさせる。通常なら様々な手続きで、お前に爵位が移るのはもう少し先になるが……その手続きは全部取っ払って父上の承認を貰えることになってる。あと数時間もすれば、お前はもうザキファス公爵だ」
レオナルドはいつの間にか国王に働きかけていたらしく、少々強引に手続きを済ませてしまうらしい。
だがそれよりも今日限りでレオナルドの執事を辞めるという事実に、ジョシュアはなぜか呆然とし、立ち尽くしてしまう。
そのジョシュアの肩にレオナルドは手を乗せる。
「俺は俺のすべきことをする。だからお前もお前のすべきことをやれ」
「レオ様……」
「……ジョシュア。長い間世話になった」
レオナルドは瞼を伏せ暫くそのままでいたが、瞼を開けた彼はジョシュアに微笑み、踵を返した。
ジョシュアはその後ろ姿に向かい、深々と頭を下げ。そして自分も踵を返し、リンゼイを迎えに行くためカンターヌへと出発した。
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