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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
「あの……レオから聞いたんですが、その……養子のこと、本当によろしいんでしょうか」
ひとしきり謝り尽くしたあと、アリエッタが切り出す。リンゼイたちの子を差し置いて、自分たちの子が爵位を継ぐことを気に病んでいるのだろう。
「ええ、もちろん。私、ジョシュアさんとこうして結婚出来ただけで幸せなんです」
本心だった。自分たちの子は、いざとなればリンゼイが持つ領地を与え、カンターヌの公爵になれる。そう伝えると、レオナルドが付け加える。
「アリエッタ、心配するな。ジョシュアは優秀な男だ。これから領地を拡げ、新たな爵位を持つことも不可能じゃない。アリエッタが心配すべきことは、二人以上は子を産まなきゃならないってことだけだ」
にやりと口角を上げレオナルドがそう言うと、アリエッタは頬を染め上げ俯いてしまった。微笑ましい姿にリンゼイは自然と笑顔になる。
故郷を離れ、寂しく思うこともあるだろうが、良き友人になれそうな二人が自分たちの到着を迎えてくれ、改めてこの地に住んでいくのだと実感する。
ジョシュアを見上げると、彼も微笑んでいたが、不意になにか難しい顔をした。
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