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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
レオナルドとアリエッタが乗る馬車を見送りながら、リンゼイはポツリと零す。
「なんだかまだ夢みたいです」
「またそんなことをおっしゃって」
困ったような笑みのジョシュアを見上げ、リンゼイは力説する。
「だって、ジョシュアさんの恋人になるのも無理かなって思ってたくらいなんです。それなのに結婚まで出来ちゃうなんて……」
「そうですか? 私はあなたがラインハルトにいらっしゃってから、こうなると予感はありましたが」
「え?」
言われた意味を一瞬理解出来なかったが、ゆるゆると理解しだすと、顔が熱くなる。自分が彼に一目惚れしたのと同様の意味なんだろう。
「でも……やっぱり夢みたい。きっとルビーの小説でも、こんな劇的なこと起こらないですよね」
ルビー・ベッツの小説にはいつも心を躍らせたが、自分たちに起こったことよりロマンチックでドラマチックな展開はないだろう。こんな素敵な恋愛をしてみたい、といつも思っていたが、現実のほうがより素敵で素晴らしい恋愛だ。
「それは本人に聞いてみたらいかがです?」
レオナルドたちが乗る馬車とすれ違い、一台の小さな馬車がやって来るのに眼を留めたジョシュアが言った。
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