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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
リンゼイが驚愕で頭を真っ白にさせている横で、ジョシュアが冷静に説明する。
ライラは侍女をする傍らで小説の執筆活動をしており、そのペンネームがなんとルビー・ベッツだと言うのだ。
ジョシュアがそれを知ったのは、たまたま市街地へ行った際、彼女が編集者と逢っているところに出くわしたそうだ。
ライラはある事情からどうしても侍女の仕事を辞めたくなかったのことで、ジョシュアに頼み込んで口止めをした。当時、ライラは既に名の知れた作家になっており、もし知られれば侍女を続けられなくなるから、と。
ジョシュアは彼女が執筆で侍女の仕事をおろそかにしないのならばと、口外しないことを約束したという。
ライラは元々一年に発表する作品は編集社との契約で最低限にしていたので、それは大丈夫だと言い切り、どうにかジョシュアの口止めに成功したとのことだ。
「なんで話してくれなかったの!? 私がルビーのファンだって、ライラだって知ってたでしょう!?」
まだ信じられない気持ちで、興奮気味に捲し立てると、彼女はまた罰が悪そうに身体を縮こまらせる。
「だから余計言えなかったんですよ……。私がルビーだって知ったらガッカリさせちゃうんじゃないかって」
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