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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ




「ガッカリだなんてしないわ! 小説のファンにとって、作者本人に逢うのがどれだけ夢のようなことか……!」


 こんな身近にいただなんて、嘘のようだ。リンゼイは感嘆の溜め息を吐き、ライラをまじまじと見詰めた。


「でも、まぁ。ジョシュアさんにバラされちゃいましたが、ちょうどいい機会だったかもしれません」


「あら、どうして?」


「編集者の方が執筆に専念して、もっと小説を書いてみないかって言ってくださって。だから侍女のお仕事も名残り惜しいですけど、辞めようと思っていたんです」


「そう……。そうなの……」


 彼女が執筆に専念し、もっと沢山の小説を読めるならば嬉しい。だが……。


「リンゼイ様。仕方ありませんよ。侍女は他に探しましょう」


「え? もしかして私を雇うおつもりでした?」


 リンゼイはこくりと頷く。ライラさえ良ければ、王城務めからザキファスの邸に移ってもらえないか頼もうとしていたのだ。彼女ほど頼れて、気兼ねなく話せる侍女はそうそういないからだ。


 だが彼女の活躍を妨げるわけにもいかず、リンゼイはジョシュアの意見に賛同した。






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