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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
「そうでしたか……。うーん、でも暫くの間、お世話になっちゃおうかな?」
ライラは腕を組んで、頭を捻る。
「いえ、実はまだ住む場所を見つけていなくって」
「そうなの?」
「はい。実家は遠いですし、出来れば首都近くに住まいを構えたいなと思っているんですが、なかなかいいアパートがなくて」
それを聞き、リンゼイはある名案が浮かぶ。ライラの手を握り、彼女に迫った。
「じゃ……じゃあ、ここに住まない? 侍女の仕事はしなくても、いつまでも居てくれていいから。もちろん家賃もいらないわ!」
「えぇ!? それはいけませんよ。仕事もせず、家賃も払わず置いてもらうなんて」
「いいの! その代り……新作を一番に読ませてくれない?」
「え?」
「だって、ルビーの新作を誰よりも先に読めるのよ! 家賃をもらうより、ずっと贅沢だわ!」
「リンゼイ様がいいんでしたら、すごく有り難いですけど……」
ライラはチラリとジョシュアを見遣る。リンゼイもまた、乞うように上目遣いでジョシュアを見詰めた。
すると彼は嘆息する。
「リンゼイ様のお望みのままに」
肩を竦めるジョシュアに抱き付き、何度もありがとうと繰り返す。
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