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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる
考え直せ、お前は俺の妻になるのだから自分に従うべきだ──と、毎日のように聞かされ、リンゼイは辟易した。
当初こそスチュワートに嘘をついて騙している負い目から、ただじっと堪えていたリンゼイだったが、あまりの眼に余る横暴な態度に、ついにリンゼイの我慢の限界がきた。
「どうせ留学なんてしたところで、たいした成果は出ないだろ。それに女は美しく着飾り、邸で大人しく夫の帰りを待てばいいだけだ。留学する必要なんて全くない。な、だから考え直せよ」
「……そうね、考え直そうかしら。……あなたとの婚約を」
自分でも驚くほど低い声だった。
兄や姉に比べて優秀とは言えず、気弱なところもあるリンゼイだったが、これでも物心ついた頃から教養を学び、それなりに矜持もある。
なのに面と向かって女は男の飾り物であるべきだと言わんばかりの物言いに、さすがのリンゼイも腹が立ったのだ。
「なっ……!?」
「女を──私を召使か何かと思っているあなたの考えをお父さまがお知りになったら、旧友の息子と言えど婚約を白紙に戻してくださるかもしれないわ。私、早速お父さまにお願いしてくる」
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