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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる



 簡単な挨拶のあとレオナルドに部屋へと案内される。背後にジョシュアとおそらくリンゼイ付きになるだろう侍女が従う。部屋まで歩く間、レオナルドの話に相槌を打ちつつ、どうしても後ろに眼がいってしまう。


 手を伸ばせば触れられそうにいる彼は、四年の月日が経ちさらに洗練されていた。


 長躯の身体で歩く様は実に優雅で、乱れなく整えられた黄金の髪から彼の軌跡に、金の粒を零していそうなほど美しい。彼の美貌も磨かれたように思え、いつまでもうっとりと眺めてしまいたくなる。


 毛足の短い濃赤の絨毯の上を疲れも忘れ、ふわふわとした心地で歩いているうち、部屋に到着してしまった。


「今日からこの部屋をお使いください。お気に召さなければ別の部屋を用意しますがいかがです?」


 ジョシュアのことばかり考えており、扉が開けられたのにも僅かに気付かず、慌ててリンゼイは部屋を見渡す。


 白を基調とした室内は、壁紙には緑色でスイカズラの模様がが描かれ、温かみをもたらしている。廊下の反対側には大きな窓があり、その向こうには金でできた猫足の丸い可愛らしいテーブルセットが置かれたバルコニーが見える。


 応接セットも重厚で品がよく、調度品も見事な品ばかりだった。


「とても気に入りました! ありがとうございます」


 顔を輝かせるリンゼイにレオナルドも満足そうに頷く。





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