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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる




「二ヶ月間、ご家族や祖国と離れ暮すのは心細いでしょうが、王女には出来得る限り過ごしやすいよう努めます。何かあれば遠慮なくおっしゃってください」


 レオナルドも当たり前なのだが以前よりも随分と大人びていて、人を安心させる笑みと彼の心遣いにリンゼイは心から感謝を述べる。


「それからラインハルトに滞在中、こちらの者が王女のお世話をさせてもらいます」


「ライラと申します。至らない点もございますが、誠心誠意お仕え致します」


 ライラと名乗った侍女はリンゼイよりやや年上に見受けられたが、人懐っこそうな明るいジェード色の瞳が印象的で、直感だが彼女とは上手くやれそうな気がする。


「よろしく、ライラ。仲良くしてくださいね」


 にこりと微笑むと、彼女もまた万遍の笑みを返してくれた。


「それから──王女はジョシュアとは面識がありましたよね?」


「え? あ、は、はい!」


 ジョシュアの名が出ただけで動揺してしまい、思いのほか大きな声が出る。するとレオナルドがクスリと笑い、気恥ずかしさに俯く。


「見知らぬ者だけでは心許ないでしょう。ですのでジョシュアにも王女の世話係を命じました」








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