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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる




 レオナルドの思いがけない言葉に、信じられない気持ちでリンゼイは顔を上げ、まじまじとジョシュアの顔を見てしまう。


「ジョ……ジョシュアさんが?」


「ええ。いけませんでしたか?」


「い、いいえ! とんでもないですわ! う……有り難いです。その……お心遣いが」


 嬉しいと言ってしまいそうだったのを寸でで呑み込み、けれど表情は隠しきれず突然舞い込んだ幸運に口許が緩む。


「王女さまの執事とお思いになられ、何なりとお申し付けください」


 ジョシュアは白の手袋を嵌めた手を胸に当て、軽く頭を下げる。


 リンゼイはまだ信じられない気持ちでいた。


 ラインハルトに来たはいいが、どうやって彼と接触しようかが一番の問題だったからだ。


 事前に調べた兄からの報告によると、レオナルドは私邸を構えており、普段は王城ではなくそこで生活しているらしかった。つまりジョシュアもそこで暮らしているということだ。


 となるとジョシュアと会うことすら難しくなる杞憂があったのだが、部屋まで歩いてくる最中、レオナルドの話から当分は王城に住まいを置いてくれるらしく、杞憂はなくなった。






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