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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる




 とは言え、ジョシュアがレオナルド付きの執事であることには違いない。王女の立場と言えど、気軽に他国の王太子付きの執事を呼びつけることも出来ないし、かといって用もないのに使用人と話すのはいけないと教育を受けてきたリンゼイにとって、どうジョシュアにアプローチしていいものか頭を悩ませていたところだった。


 それがまさかリンゼイの世話係に任命されるとは!


「こちらこそ宜しくお願い致します!」


 気が利いたセリフのひとつも言えないほど舞い上がり、胸はドキドキとしていて、三人が呆れるくらいリンゼイは深々とお辞儀をした。








 ごく身内だけで開かれたリンゼイのための晩餐のあと、部屋に戻り入浴を済ませてから寝台に横たわったリンゼイ。


 長旅で身体は鉛のように重たく疲れているのに、まだ高揚感が抜けきらず、見慣れない天井を眺めながらなかなか寝付けないでいた。


 それは夢でしか逢えなかったジョシュアがすぐ近くにいるせいかもしれない。けれど夢よりも思い出よりも、久しぶりに見た彼はもっと素敵で、改めて彼を好きだと実感する。


 もっと彼のことを知りたい、そして自分のことを知ってもらい、出来れば好きになってほしい。


 そのために色々なものを捨て、どんな非難をも受ける覚悟で来たのだから。


 




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