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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる




「もしかして王城にいる方? ジョシュアさん……とか?」


「へ? ジョシュアさんですか? まさか、違いますよ。って、ははーん」


 眼を細め、にやりとしたライラ。しまった、と思ったときには遅かった。


「そういうことですか。ふふーん。このライラ、わかってしまいましたよ?」


「ち、違うの! 私が知ってる人ってまだ少ないから……だからつい名前が出てしまっただけで」


「隠さなくてもいいですって! 不思議だったんですよね。カンターヌでは貴族の女性は学校に通ったりしないんですよね? なのにわざわざ他国の学校に留学なんて。でも合点がいきました」


「だ、だから!」


「リアルの身分違いの恋! ふふふ……これは……」


 指を組み、ライラは宙に視線を彷徨わせまたぼんやりする。


「ラ、ライラ?」


「いいです! 私、そういうの大好きです!! 俄然やる気が出てきちゃいました!」


「やる気ってなんの?」


「あ、いえ、こちらの話です。でもそうとなればこのライラ、リンゼイ様にご協力します!」


「ライラ……。反対、しないの?」


 兄や姉は身内でリンゼイを可愛がってくれているから味方になってくれた。だが一般的には赦されざる恋だ。まさかライラも味方になってくれるとは思ってもみなかった。






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