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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる
「反対? なぜですか?」
「だって……」
「そりゃあジョシュアさんはあの容姿ですし、モテますよ。ライバルも多いでしょうねぇ。とある令嬢がジョシュアさんに熱を上げて猛アタックしていましたし、男爵未亡人がしつこく言い寄ってたのも有名です。他のお邸の侍女がジョシュアさん目当てにレオ様のお邸に転職しようとしてたのも、一人や二人じゃないって話です」
「そんなにも!? じゃなくて。身分が違うから反対されるって思ってたの」
ほんの短い時間過ごしただけで彼の虜になってしまったリンゼイは、彼の魅力をよく解ってはいただけに、ライバルが数多いるだろうことは予想していた。
実際に聞くと驚愕の域ではあるが。
「人を好きになるのは罪じゃないですよ。咎められても止められないのが恋! 身分差の恋の果てに……愛の逃避行! 素敵です!」
「いえ、あの……落ち着いて、ライラ」
ライラに両肩を掴まれ、ずいっと顔を近づけられた彼女の瞳はすこぶる真剣で、どうやらライラの中の火を灯してしまったようだ。
「でも難攻不落の城を落とすのは困難ですよ。なんせあのジョシュアさんですからね」
「どういう意味?」
「レオ様の思考が柔らかい分、ジョシュアさんはすこぶる固いんです。簡潔に言うと、堅物ってやつですね」
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