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王女様の不埒な暴走
第3章 恋、煩わせる



 レオナルドからジョシュアもリンゼイの世話係に任じられたのだから、特別おかしなわけではないが、ほとんどの世話をこれまでライラひとりが担ってきた。彼女だけで事足りたからだ。


 それが一変し、最初は戸惑いもした。特に戸惑ったのが、ドレスの着付けだ。


 ライラが手首を痛めコルセットを締められないからと、ジョシュアが代わりに来たのだ。


(もう、ライラったら! ドレスの着付けまでジョシュアさんに頼むなんて!)


「ドレスの着替えをお手伝い致します」と言いに来たジョシュアを前に、どうしていいかわからず立ち尽くす。


 ややあってジョシュアが──


「他の侍女を呼んでまいります。少々お待ちいただけますか」


 リンゼイが困り果てているのを見かね、一揖して部屋を出て行こうとした。


「ま、待ってください!」


 ライラの努力(困った方向ではあるが)を無駄にしたくないのと、彼と少しでも一緒にいたい気持ちが肌を見られる羞恥に勝り、咄嗟に呼び止める。


「あの……あの……ほ、他の方も忙しいでしょうし、ジョ、ジョシュアさんお願いします」


 渾身の勇気を振り絞って頼む。




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