この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
王女様の不埒な暴走
第4章 執事の噂と王女様の暴走

「でもだからって諦めるのはまだ早いですよ! あくまでも又聞きですし、キャンディス様の一方的な想いという可能性だってあります。事情があって、強く断れないだけというのが、私の考えです」
「そう……ね。でももしかしたらその噂、あながち間違いじゃないのかもしれないわ。ジョシュアさんが私の気持ちを受け入れてくれなかったのは……」
「え? いいいい……今なんておっしゃいました!?」
「あ……」
ジョシュアに恋人がいるかもしれないと聞かされ、気落ちするリンゼイはうっかり口を滑らす。
聞き逃してくれたり、問い詰めないで欲しいという要望はライラには無駄らしい。ごにょごにょと誤魔化してはみたが、一度食いついたら離さない危険な動物のように、ライラはリンゼイが口を割るまで離さなかった。
「実は勢いで言ってしまって……」
観念したリンゼイは事細かにライラに打ち明ける羽目になる。
すると彼女は大口を開け、豪快に笑った。
「あはははは! リンゼイ様、ナイスです! そのくらい強引じゃないと、あの大岩は動かせませんから!」
難攻不落の城だの、堅物だの大岩だの。すごい言われように、気落ちしていたのを少しだけ忘れて苦笑する。
「ともかく! リンゼイ様は数多のライバルを蹴散らして、恋を成就させるんですよ。それにはまずキャンディス様の動向に注意を払ってくださいね!」
ライラの激励にリンゼイは大きく頷く。ジョシュアとキャンディスが恋人でないなら、自分を好きになってもらえるように頑張れるから。
.

